地熱資源について
地熱エネルギーとは?
秋田駒ケ岳 (1970年の噴火)
地熱エネルギーとは、地球の誕生以来、地球の内部で生成され、蓄積されてきた熱エネルギーです。これは、地表近くでは、例えば、火山活動や温泉などで地下から放出されています。
地熱資源とは?
岩手県(雫石町)鳥越の滝
地熱資源とは、深さ約3km程度ぐらいまでの、比較的地表に近い場所に蓄えられた地熱エネルギーを資源として利用するものです。これには、 地熱発電のほか、温泉(浴用)、暖房・熱水利用(家庭用、農業用、工業用)といった用途があります。
どうやって地熱資源を探すのでしょうか?
これは非常に難しい質問です。地熱資源の探し方は、その場所その場所によって少しずつ違います。
しかし、基本は、地質調査や地化学調査などによって有望地域を抽出し、地球物理学を応用した物理探査なども加えて更に詳細に調べます。
その時のポイントは、1熱、2流体(熱水、蒸気)、3地下き裂の三つの要素と、地下で熱せられた流体が岩盤中を上昇する「自然対流」に着目することです。
断層面の傾きや運動方向を調査
熱水性鉱物脈の発達方向を調査
噴気の熱量を調査
温泉や噴気ガスの成分から熱源の場所、規模を推定。
地熱資源にはどんな種類がありますか?
地熱資源は、地下深部からの熱の輸送メカニズムによって、2種類に大別できます。すなわち、地下深部から上昇してくる熱水によって熱が運ばれる「対流型地熱資源」と、熱水の上昇がないので熱伝導によって熱が運ばれる「高温岩体型地熱資源」です。
現在商業規模で地熱発電が行われているのは、前者の「対流型地熱資源」です。資源量的には、「高温岩体型地熱資源」の方がはるかに多いので、この利用技術が現在盛んに研究されています。対流型地熱資源には、坑井から蒸気だけが噴出する「蒸気卓越型地熱資源」と熱水まじりの蒸気が噴出する「熱水型地熱資源」があります。
(カッコ内は地下深部からの熱輸送メカニズム)