高精度傾斜計の適用例

高精度傾斜計は、火山活動のモニタリングのほかに次のような目的で用いられています。

  • 地下の流体流動に伴う地盤挙動計測
  • 地下空洞の変形監視

当社は、現地状況に応じた傾斜観測システムを提案し、解析技術を提供いたします。 

高精度傾斜計

地下の流体流動に伴う地盤挙動計測

高精度傾斜計は、地下の流体流動に伴う地盤挙動を観測できます。例えば、地下水採取等による地下深部の微細な挙動を地表付近で捉えます。すなわち、地盤沈降・隆起等の岩盤挙動を計測できるので、そのデータ解析により、災害の早期発見、予知に役立ちます。

地下の流体流動に伴う地盤挙動モニタリング概念図

地下の流体流動に伴う地盤挙動モニタリング概念図

地下水量の減少による地盤沈下に伴う地表の動きを、高精度傾斜計が捉えます。

適用例

昨今、地球温暖化が大きな問題となっており、その原因となる二酸化炭素(CO2)を削減するため、CO2地中貯留の研究開発が進められています。地下に圧入されたCO2の流動を捉えるため、高精度傾斜計は、CO2の炭層固定や帯水層貯留の研究開発に用いられています。

二酸化炭素炭層固定の紹介  東京新聞2005年7月19日記事 (82kb)

地下空洞の変形監視

高精度傾斜計を地下空洞のある地表面に複数配置することにより、地下空洞の変形に伴う地盤変化が計測できます。そのデータを用いて、地下空洞の安定性を評価できます。さらに、地盤変化を事前に計測しておくことにより、地下空洞の変形を察知することも可能です。

地下空洞の変形に伴う地盤挙動モニタリング概念図

地下空洞の変形に伴う地盤挙動モニタリング概念図

地下空洞に変形が生じた場合、それに伴う微小な傾斜変化が生じます。その変化を高精度傾斜計は捉えます。複数個の傾斜データより地盤変化量を解析し、地下空洞の変形箇所やその程度を把握できます。

適用例

地下石油備蓄基地の岩盤タンクに原油が入れられると、岩盤タンクを直接監視することができなくなります。このような地下空洞の変形を捉えるために高精度傾斜計が設置され、地下空洞の監視と安定性評価に役立てられています。

地下空間に対する微小傾斜の計測とその応用 (562kb)

地下石油備蓄基地の岩盤タンク

地下石油備蓄基地の岩盤タンク
(大成建設(株)websiteより)

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